4月30日(月)
●完璧なニセモノ
 起床後、まずは朝食を兼ねて散策。ホテルの近くにある南大門市場を歩く。まだ朝なの で開いている店も少なく、人もまばらである。O氏と
「南大門市場ではニセモノを扱う店がある」
という話をしている最中、突然、

「完璧なニセモノ アルヨ」

という怪しい日本語で声を掛けられる(笑)
あまりのタイミングの良さに朝から爆笑させて頂きました。

それにしても「完璧なニセモノ」ってどの程度精巧に作られているのだろうか?

南大門市場を散策した後は朝食。昨日食べ過ぎた事もあり、うどんを食べる。昨日の昼食 と同じ様なメニューであるが、味はこちらの方が断然上!旨い!

まずは南大門を目指す 南大門
南大門より大通りを望む 南大門市場入口

南大門市場 南大門市場 開店準備中の店が多い

建物内部の店は開店前 本日の朝食 うどん

●水原(Suwon)へ
 朝食後、宿に忘れ物をした事を思い出し、一旦宿に戻ってから出発。今日はソウル近郊 の街、水原(Suwon)へ向かう。地下鉄でソウル驛へ行き、そこからKORAILに乗車する。
 KORAILの優等列車は基本的に座席指定なので、窓口に並び指定券を発行してもらう。 KR-PASSの場合、乗車券を提示して、乗車する列車名と目的地を言うと発券してもらえる。

乗車駅 → 下車駅 列車種別 行先 列車番号
ソウル10:35 → 水原11:05 ムグンファ 晋州(Jinju) 1271

ムグンファ号は客車列車である。先頭にはディーゼル機関車が停まっている。このディー ゼル機関車は台湾でも走っているアメリカ製のものである。指定された号車に向かい座席 に腰を下ろす。座席は広くゆったりしていて快適である。30分の列車の旅を楽しむ。

ソウル驛構内 ホームを見渡す
「鐵道起点」と書かれている ムグンファ号
この列車は晋州(Jinju)行 車内に入りました
水原驛到着 左側が低床ホーム(長距離列車用)
右側が高床ホーム(近距離電車用)

●韓国の八王子?
 水原(Suwon)驛は駅ビルが併設された大きな駅である。また、近郊電車も走っており、 時間は掛かるもの優等列車を使用せずともソウルから来る事が可能である。
 まずは駅前の観光案内所で情報収集。水原(Suwon)では世界遺産「華城」を観光する。 大体の場所を把握した後、水原市内散策を兼ねて歩いていく。まずは、水原駅前から伸 びている歩行者道路を歩く。
 歩いていて、ふと気がつく。この街、東京の八王子に似ている!? 首都から程近く、都市の規模は大きいものの、高い建物が少なく、地方都市っぽさを 感じる所が妙に八王子に似ている。
また、首都の中心部からの距離を比較すると

ソウル驛 → 水原驛 41.5km
東京駅 → 八王子駅 47.4km

と八王子の方が若干離れているが、首都の中心駅からの距離も同等と言えないだろうか?
余談だが、都庁のある新宿を起点にすると

新宿駅 → 京王八王子駅 37.9km (京王線経由)
新宿駅 → 八王子駅 37.1km (JR中央線経由)

となり、京王線経由の場合、誤差が僅か3.6kmになる。
 首都の中心部からの距離を考えると、少なくても首都の衛星都市としての役割を果して いるのは八王子も水原も同じであろう。

水原驛 駅舎 八王子駅 駅舎
水原驛 駅前から続く歩道 八王子駅前から続く「ユーロード」

●世界遺産「華城」
 街歩きをしつつ最短ルートで華城へ行くつもりが、かなりの遠回りになってしまう。途 中、坂道を登ったりする。華城自体はとても広く、我々が最初に到着した場所は南砲楼と 華城でも端に位置する場所である。
 実は、南砲楼の近くには華城の重要な見所である「八達門」があるのだが、南砲楼が山 の頂上付近にあるのに対し、八達門は山の麓にある。南砲楼へ来てしまった我々が八達門 を見る為には一旦山を降りなければならない。とても見たいが位置エネルギーは無駄には できない。八達門の見学は後回しにする事にする。
 それにしても、単なる平日だからだろうか、観光客が全然いない。たまにすれ違う人は、 どうみても散歩中の近所の人である。

高い所まで登りました 奥に見える黒い屋根が八達門

南砲楼へと続く登り階段

観光ルートは
南砲楼 → 西南暗門 → 西舗楼 → 華西門 → 長安門

と、一番標高の高い所から徐々に山を降りていくルートになる。下の方へ向かうと徐々に観 光客を見かけるようになる。我々が最初に訪れた場所は行き辛い上に一番の見所では無い。 人が少ないのも頷ける。
 長安門到着時点で華城の約半分を見た事になるが、既に昼を回っているので省略して華 城行宮を見学する事にする。長安門から華城行宮までは水原の街歩きを兼ねて歩いて向か う。

西南暗門 華城行宮を見下ろす
華西門 華西門内部
城壁を進む 工事中の長安門

●飲込まれる
 韓国旅行も3日目になり、手持ちの現金が心細くなってきたので国際キャッシュカード で引き出す事にする。華城行宮まで歩いている間、世界的に有名な某銀行を見つけたので、 そこで引き出す事にする。早速ATMコーナーへ。ATMも当然英語メニューがあり安心。 そして、ATMを操作してカードを入れると

Windowsの画面が表示され、「Fatal Error」の文字が!

ここでATMの処理が完全に停止。
うわっ!カードを飲み込まれた!こんなのありか?

 ATMに備え付けの受話器を取り出し、係員を呼ぼうとするが出てこない。有人窓口へ 行き係員を呼びつけるべく、O氏にATMの前に立ってもらい係員を探しに行く。 まもなく係員を発見し、英語で

「カードが飲み込まれた! とにかく来てくれ」

のようなニュアンスで呼ぶ。
係員も驚いた様に画面を見る。状況が理解できたらしく、ATMの裏側へ行ってカードを 強制排除してもらう。とりあえずカードが帰ってきたが、どのように処理されたか心配で ある。

●華城行宮、そして八達門
 ATMでの引き出しを諦め、気を取り直して華城行宮へ向かう。行宮とは国王の別邸で、 華城はこの華城行宮が中心にして作られている。入口で入場券を購入して中に入る。この 華城行宮は最近復元されたものらしく、建物は新築っぽく、とても綺麗である。また、ド ラマ「大長今」のロケ地として使用されたとの事で、「主人公が○○した場所」のような 案内板がいたる所に設置されている。あまりの多さにドラマのロケ地巡りをしている感 覚に陥ってしまう(笑)
 華城行宮の見学を以って華城を一通り見終わったと思ったが、一つ忘れていた場所があ る!八達門である。華城行宮から少し道を歩いた所に八達門がある。八達門自体はロータ リー状の道路の中にあり間近で見る事はできないが、見事な門である。

華城行宮入口 ドラマ「大長今」登場人物
華城行宮内部 ロケの案内板
華城行宮 展示 八達門付近の風景
八達門(水原驛側) 八達門(華城行宮側)

●カルビ!
 八達門を含めて華城を一通り見た後は、遅めの昼食を採る。水原の名物はカルビ!! 今回は名物「水原カルビ」を頂くことにする。まずはガイドブックで水原カルビの有名店 を探す。O氏と相談の上、「ヨンポカルビ」という店に決めて場所を探す。すると、 先程行った場所へ戻る事が判る。
距離も結構あり、歩くには辛い。
 という訳でタクシーで移動する。運賃は1,900Wonと安い!これだったら、頻繁にタクシ ーを使っても良さそうだ。タクシーで「ヨンポカルビ」の前まで行ってもらい入店。 昼時を思いっきり過ぎているので店内は閑散としている。 お座敷に座り、ビールとカルビを注文する。
 まずは乾杯!小鉢が続々と置かれ、最後にカルビ登場!うわっ、とてもでかい!!店員 さんが手際よくハサミで肉を切ってくれる。切って貰った肉を焼いて頂きます! めちゃめちゃ旨っ!!!

ヨンポカルビ やっぱり、お座敷!
中に炭を入れてから カルビを載せた鉄板を置きます
カルビと小菜達 肉はハサミで切ってくれます
どんどん焼きましょう! ご馳走様でした

●ちょっと遠回り
 カルビを堪能した後はソウルへ戻る。水原驛まで行くバス停を探し、バスに乗り込む。 運転士に英語で水原驛へ行く事、及び運賃を確認する。ちなみに運賃は1,000Won。運賃自 体は日本円で100円強なのだが、市内バスに乗車するのにお札で支払う事に抵抗感を覚え る(笑)バスは程なく水原驛へ到着する。到着の際、英語で「Suwon Station」と案内し てくれる。結構親切な運転士である。

 これからソウルへ戻るのだが、ここで折角KR-PASSを使っているのに真っ直ぐ戻るのは 勿体無い!という事になる。
 そこで、ちょっと遠回りして帰る事にする。一旦、水原から大田まで行き、大田よりKTX でソウルへ戻るというプランである。ムグンファ号とKTXの旅を再び楽しむ。

乗車駅 → 下車駅 列車種別 行先 列車番号
水原17:11 → 大田18:44 ムグンファ 大田(Daejeon) 1317
大田19:16 → ソウル20:11 KTX ソウル 168

バスで水原驛へ ムグンファ号より
大田驛到着 大田驛 駅前風景
ソウル驛へ戻ってきました ソウル驛 旧駅舎

●東大門へ
 ソウル驛に到着すると既に日が暮れている。今日の夕食は東大門付近で食べようと考え た。地下鉄で東大門驛へ向かう。

ソウル(Seoul, 426) → 東大門(Dongdaemun, 421) 地下鉄4号線
(3桁の数字は地下鉄の駅に振られている番号)

 東大門驛到着後、まずは駅名にもなっている東大門を見学。ライトアップを期待したが 灯りは点いていない。残念。次に、ガイドブックに「庶民的な食堂街」とある場所に行っ てみるが、ここだ!という店が無く、あえなく撃沈。ガイドブックを再度確認し、 宿の近くの繁華街、明洞へ向かう事にする。再び地下鉄に乗車する。

東大門(Dongdaemun, 421) → 明洞(Myeyongdong, 424) 地下鉄4号線
(3桁の数字は地下鉄の駅に振られている番号)

●再びソウルの夜
 昼間にカルビを食べてしまったので、夜はお手軽にする済ませる事にする。O氏とガイ ドを見ながら相談した結果、明洞のチヂミ料理の店にする。明洞の店へは迷わず到着。し かし、店が道を挟んで反対側になっている。そして、店員さんは日本人慣れしている模様。 日本語メニューを持ってきて色々と薦めてくる。が、結構高い。とりあえず当初の目的で あったチヂミと海鮮鍋を注文。25,000Won以上とかなり高い。海鮮鍋を注文した後、別の 鍋も薦めて来る。さすがに食べられないし、おまけに高いので断ると、なんと10,000Won もディスカウントしてくる。メニューの価格はボッタクリか?
 海鮮鍋は確かに旨い。しかし、食材の載せ方が大雑把。昨日の夕食からヒットを連発し ているだけあって、気分的に今日の夕食はイマイチ。明洞は日本人観光客も多いし、 観光地価格になっていないか、気をつけた方が良さそうだ。

チヂミ 海鮮鍋

●宿に戻る
 食後、地下鉄で宿に戻り、飲み直した後に就寝。

明洞(Myeyongdong, 424) → 會賢(Hoehyon, 425) 地下鉄4号線

2日間滞在したホテルも今日で最後。明日の朝、check-outし、ソウルを発つ事になる。


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