1月5日(木)
●朝風呂
 温泉宿に泊ったら、温泉は3回入らないと!
と言う訳で起床後は朝風呂!やっぱり温泉は気持ちよい!
暫くしてWさんも起床。同様にして温泉入浴。温泉効果があったのか、体調も昨日より大 分良くなったようである。

●腹ごしらえ
 朝7:30頃にCheck outし礁溪車站へ向かう。礁溪車站は温泉の駅という事もあり、駅前 に足湯がある。入ってみたいが、そこまで時間が無いので断念。宿で十分に楽しんだから OKとしよう。
 朝食を食堂で済ませる時間も無いため、駅近くのセブンイレブンで朝食を調達する。適 当に弁当を選ぶ。購入時に

「スープは要るか?」
と聞かれるので

「いる」
と答える。
 すると店員が「おでん」のスープを汲んで渡してくれる。
台湾のコンビニには大抵「おでん」があるのだが、その、おでんのスープが飲む為のスー プとしても使われるとは。意外な使われ方に驚く。

駅前には足湯が 礁溪車站ホームで列車を待つ

●礁溪から一気に高雄へ

礁溪08:09→板橋09:55 自強號 1062車次 221元

 昨日まで、癒しを求めて移動は出来るだけ行わず、ゆっくりする事に力点を置いていた が、今日は昨日から一転。激しい移動を繰り返す。まずは温泉街、礁溪より自強號に乗り 板橋車站へ向かう。板橋は台北の先であるが、自強號で乗り換え不要でそのままアクセス が可能である。とても便利である。列車に乗り込み、早速先程購入した弁当を開く。台湾 のコンビニ弁当はシンプルで旨い。サービスで貰った、おでんのスープも、さっぱりして いて良い感じである。
 板橋車站到着後、台灣高鐵(台湾新幹線)の入口を探すがあっさり見つかる。私自身、 板橋車站に降りた事がなかったが、近代的な駅舎に驚く。未来的、かつ開放感がある板橋 駅舎は重厚的かつ歴史を感じさせる台北車站と全く対照的である。また、台灣高鐵の入口 付近に切符売り場があり、長い行列が出来ている。事前に切符を買わなかったら乗れなか った可能性が高そうである。
 台灣高鐵(台湾新幹線)のエリアに入るとマスコミが大勢居る。さすが開業日当日であ る。彼らはインタビューに余念が無い。また、同様に台灣高鐵の反対派も居り、こちらも 自分達の主張が書かれたビラ配りに余念が無い。私も最初、何だか判らずにビラを受け取 ってしまったが、こりゃまた凄い事が書いてある。

「あなたは高鐵(新幹線)を取りますか、それとも命を取りますか?」

みたいなキャッチフレーズがある。
そして、

「どんなに些細な事でも良いので、高鐵(新幹線)の不具合を見つけたら、私たちに知ら せてください」

という文言と電話番号が掲載されている。つまり、彼らは反対の根拠(ネタ)を持ってい ない(笑)
 営業運転が軌道に乗る内に自然と消えていく団体だろう。
騒ぐ外野を黙らせる為には、彼らを相手にせず、ひたすら安全運行に徹すること。 軌道に乗るまでは苦しいとは思うが台灣高鐵(台湾新幹線)には頑張ってもらいたい。

コンビニ弁当 自強號車内
板橋車站到着 広く開放的な駅構内
混雑する台灣高鐵窓口 電光掲示板

●一日生活圏を体験!

 板橋10:25→左營12:25 台灣高鐵(台湾新幹線) 407車次 730元(仮開業に付き、運 賃半額)

 台灣高鐵(台湾新幹線)のキャッチコピーは「一日生活圏」である。これは台湾の大都市 である
台北-台中-高雄 間
を1日で往復できる事を訴えている。このキャッチコピーは結構知られており、テレビで 台灣高鐵の乗車券を購入するのに1日がかりだったNewsが流れた際、
「1日生活圏の乗車券を買うのに1日掛かった」
と皮肉った字幕が出たりしていた。
 今日は板橋車站を10時半に出て、20時半に戻ってくる。また、板橋から左營まで片道2 時間、往復4時間要するので高雄の滞在時間は6時間である。6時間あれば、ちょっとした 観光を十分行える。
 駅の改札口に入り、エスカレータを下りると台灣高鐵(台湾新幹線)のホームである。 エスカレータに立って列車が徐々に見えてくると期待が高まる。我々が乗車する既に列車 は停車している。ホームに降り立つと、先頭で乗客が記念撮影を行っている。記念撮影中、 列車に近付きすぎると係員が笛を吹き注意している。開業前にトラブルが続発したという 事もあり、係員が神経質になっているのが良く判る。
 我々は3号車に乗車。車内は東海道山陽新幹線で使用されている700系と殆ど変わらな い。むしろ、そのものと言っても良い。客室内の違いと言えば、非常時の脱出の際に使用 する、窓破壊用のハンマーが設置されているのと、電光掲示板の表示に日本語が無い程度 である。

 列車はほぼ満員の乗客を乗せ、定刻通りに発車。静かな発進である。発車後、すぐにチ ャイムが鳴り自動放送が始まる。自動放送の言語は台北捷運(MRT)と同様、4カ国で

(1)北京語(普通話)
(2)台湾語
(3)客家語
(4)英語

である。北京語(普通話)が最初、英語が最後に放送される。尚、台湾語と客家語につい ては、私自身が理解できないので、どちらが先に放送されているかは不明。
 発車後暫くすると、徐々に速度が上がってくる。速い!車窓からは南国台湾の景色が広 がる。車両自体の新鮮味は無いが、車窓からの景色はとても新鮮である。そして嘉義車站 出発後、電光掲示板にて300km/h表示を確認!鉄軌道で時速300km/h運転を体感したのは ドイツに続いて2カ国目である。未だに日本で300km/h運転を体感した事が無いのも困 ったものであるが(笑)
 あっという間に2時間が過ぎ左營車站に到着する。

混雑する改札口 エスカレータを降り、ホームへ
台灣高鐵(台湾新幹線) 407列車 指定席
座席には車両案内図が 車内の様子
乗車券(印字面) 乗車券(裏面)
自動改札へはこちらを上に投入!

高速走行中! 座席。日本の新幹線と殆ど同じ

左營車站到着 左營車站ホーム

●高雄観光
 左營車站に降り立つと、開放的な駅舎に驚く。駅と言うより空港に居る錯覚を覚える。 左營車站内の散策も程ほどにして高雄市内の観光へ行くべくコインロッカーを探す。しか し、全然見当たらない。
 仕方ないので、諦めて一旦高雄車站へ行き、そこで荷物を預ける事にする。台灣高鐵( 台湾新幹線)の左營車站から高雄車站へは台鐵(台湾国鉄)で行くことができる。台灣高 鉄の左營車站と台鐵の新左營車站は隣接しており通路で繋がっている。ちなみに台鐵の新 左營車站は新幹線開業に合わせて開業された新駅である。

新左營13:04→高雄13:14 區間號 2633車次 15元

ホームへの入口 空港を思わせるコンコース
混雑する乗車券売場 台鐵 新左營車站ホーム

●間違えた!
 高雄到着後、コインロッカーに行き荷物を預け、観光開始!既に昼を過ぎているので、 ガイドブックを見て昼食を食べる場所を探す。これだ!と決めた店が駅から結構離れてい るのでバスに乗車することにする。高雄駅前のバスターミナル内にある窓口で乗車券(12 元)を購入してバスに乗車する。しかし、乗車券を運賃箱に入れようとすると、これは使 えないと拒否されてしまう。バス停の目の前にある窓口で購入した乗車券なのに使用でき ないとは!よく見ると乗車券と乗車したバス会社が違う。しまった、やっちまった!!運 賃の支払いをスムーズにしようと前もって乗車券を買ったのが失敗であった。
 高雄のバスターミナルで乗車券を購入するには注意が必要である。乗客の利便性を考え て共通乗車券を用意してもらいたいが、既に非接触型ICカード(Suica/Pasmoみたいなカード) が普及しつつある様子なので、この問題は解決されそうである。高雄捷運 (Kaohsiung MRT, KMRT)が開業すれば、台北の様に一気に普及するだろう。
 結局12元を現金で支払ってバスに乗車するが、バスは我々の予想に反して線路の北側へ 向かう。しまった!逆方向に乗ってしまった。乗車券に続いて、またしても間違い!比較 的すぐに誤りに気がついたのが幸い。適当なバス停で下車し、逆方向のバスに乗る事にす る。
 しかし、よりによってバスが通過したばかりで、なかなか次のバスが来ない。タクシー で行くかと決める直前にバスが到着。貴重な時間を30分以上もロスしてしまった。しかも 今日は6時間しか滞在時間が無い為、とても痛い。タクシーを使えば良かったと後悔する が既に時遅し。

間違えて別の場所へ... スクーター軍団@高雄

●遅い昼食
 逆方向のバスに乗りお目当ての食堂へ行く。乗車したバスの車内には電光掲示板が設置 されており、次のバス停が表示されている。その為、目的地を乗り過ごす事無く下車。 お目当ての食堂も直ぐに見つける事ができ、遅い昼食にありつく。 食堂では、米糕、四神湯と魚肚を注文。苦労した甲斐あって、食事も旨い!
 昼食後、「東帝士85國際廣場大樓」という高層ビルに登り、高雄の街並みを一望しようと 思ったが、空がもやっている為、その近くにある新堀江へ向かう。新堀江は高雄の流行の 先端を行く地域で、台北で言えば西面、東京で言えば原宿辺りを指す。時間も押している のでタクシーを使い、さくっと向かう。
 新堀江を適当に歩く、さすがに台北の西門に比べればエリアも狭いし寂しい感じが否め ない。そもそも、このような場所は私には似合わない?

食堂入口 昼食(米糕,四神湯,魚肚)
新堀江(その1) 新堀江(その2)

●Sweets!
 新堀江を散策した後、Sweetsを食べたくなる。昼食を食べてもは別腹!という訳でSweets を食べられる店を探す。Wさん所有のガイドブックを見ると、新堀江付近に「高雄牛乳 大王」という有名な店があるらしい。牛乳が美味しそうな店である。早速向かってみる事 にする。10分程度歩いて到着。
 早速中に入り、カウンターにて注文する。名前から察するに牛乳が美味しそうな店なの で木瓜牛乳(パパイヤ牛乳)を注文。注文時、近くにあるショートケーキがとても美味し そうで、
「Eat me!」
と誘惑している(笑)
結局、誘惑に負けてケーキも注文する。
 注文後、レシートを見ると、60元の木瓜牛乳(パパイヤ牛乳)に対して、ケーキが29元 になっている。ん?なんで、こんなにケーキ安いのか?と思ったら、自動的に 「ドリンク+ケーキ」セットが適用されており、それで安くなったみたいである。ラッキー♪
 すぐに木瓜牛乳(パパイヤ牛乳)とケーキが用意され、空いている席に適当に座り食べる。 まずは木瓜牛乳から。

旨い!!

牛乳が違うと木瓜牛乳の味はこんなに違うのか! もう、下手な木瓜牛乳は飲めなくなっ てしまう。コンビニで売っている木瓜牛乳なんて、とんでもない(笑)続いてケーキを食 べる。こちらも美味しくペロリと完食。

地下鉄(高雄捷運/KMRT)の看板 高雄の街並み@新堀江付近
高雄牛乳大王 木瓜牛乳とケーキ

●愛河
 Sweetsを堪能すると午後4時半を回っている。時間も無いので、観光は次で最後になる。 最後は愛河を散策する事にする。食後の運動の為、高雄牛乳大王から愛河までは歩いて向 かう。愛河は大きな運河で市民の憩いの場でもある。愛河沿いを歩いていると心地よい。 屋台も出て軽い食事もできるが、さすがに遅めの昼食の上、Sweetsまで食べているので止 めておく。
 また、愛河には遊覧船もあり、水辺より高雄の街を見物できるのだが、これに乗ると列 車に間に合わなくなるので断念。次回の楽しみに取っておく事にしよう。暫く散策した後、 バスに乗り高雄車站に戻る。

愛河(その1) 愛河(その2)
バスで高雄車站へ 高雄車站到着

●台北へ戻る
 高雄車站に戻り、まずは荷物を回収し、台鐵(台湾国鉄)に乗って新左營車站へ移動す る。しかし、自動券売機にて新左營までの乗車券を購入しようとすると、新左營のボタン が存在しない!
 おかしいと思い、別の自動券売機を探しても同様にボタンが無い。色々探してみると、 調整中の紙が貼られている新しい自動券売機を発見する。その自動券売機には新左營の ボタンがある事が判る。調整中の自動券売機は当然稼動していない為、乗車券を購入する 事はできない。もしかして開業に間に合わなかったのだろうか?
 仕方なく新左營と同じ運賃である左營までの乗車券を購入する。

高雄17:41→新左營17:50 區間號 2646車次 15元

 夕方のラッシュ時の為、列車は8両編成である。さすがにラッシュ時なので長い8両編 成でも混雑している。2つ目の新左營車站で下車する。さて、乗車券は一つ手前の左營ま でなので、何か言われるだろうと思ったら、何も言われずに改札口を出る。区間が違って も運賃があっていればOKと判断したのだろうか。
 新左營より隣接する台灣高鐵(台湾新幹線)の左營車站に向かう。台灣高鐵の切符売り 場には相変わらず長い行列が出来ている。駅の売店で飲み物等を調達した後、ホームへ向 かう。開放的な駅舎を見ると、これから列車に乗るのではなく飛行機に搭乗する様な雰囲 気を感じる。

左營18:25→板橋20:25 台灣高鐵(台湾新幹線) 424車次 730元(仮開業に付き、運賃 半額)

 行きと同様、あっと言う間に終着駅に到着。暗くなってから高雄を出て、その日の内に 台北市内に着いてしまう。しつこい様だが、本当に速い。

左營車站の改札口は空いていたが → → 板橋車站では大混雑!

●宿探し
 今日は宿を取っていない為、これから宿を捜す必要がある。Wさんと相談した結果、初 日の宿に決める。板橋車站より台北捷運(MRT)に乗車して忠孝新生車站まで行く。宿 は既に述べたとおり駅前である。今日はWさんに交渉をして頂く。中に入り英語で対応。 さすが台北市内の中級の宿だけあって、英語対応はバッチリである。部屋も空きがあり、 無事にCheck in完了。

●夕食
 Wさんは明日の朝に日本へ帰国してしまう。そのため、今日の夕食は豪勢に行くことに する。何処かレストランへ行こう!とガイドブックで、それっぽい所を探してから出発!  台北捷運(MRT)に乗り民權西路車站まで行き歩いて10分程のレストランである。し かし、民權西路到着後に重大な失敗に気が付く。

あ、ガイドブックを忘れた(涙)

 思いっきり、やってしまった。推測で歩いてみるが見つかる訳も無くあえなく断念する。 探している間に我々が訪れたことの無い夜市を発見したので、そちらに行く事にする。結 局、いつもと同じになってしまった(笑)レストランで豪勢な食事は次回の台湾旅行でし よう。
 夜市を一通り回り、今日は水餃子の店に決定!中に入り、焼き餃子、水餃子、スープを 注文する。調子に乗って多く注文してしまい、お腹一杯!味も良く、満足な食事であった。  食事を終えると夜の11時を回っている。明日も早いのでタクシーで宿に戻り就寝。

夜市入口 夜市の様子
焼餃子とスープ 主役「水餃子」登場!


●新幹線が持つ可能性
 食事前、Wさんと

「高雄を夕刻過ぎに出発して夕食を台北で食べられる」

 という話題で盛り上がる。今までも飛行機を使えば可能であったと思うが、新幹線という、 より手軽に乗れる交通機関の登場により、より現実的になった。台灣高鐵(台湾新幹線) は台湾の交通機関の常識を覆し、旅行行程の幅を大きく広げて行く事になるだろう。今日 は、それを強く実感した。

300km走行中!
台灣高鐵(台湾新幹線)


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