8月15日(火)
ドイツ3日目のルート

●München散策
 朝7時頃に起床し、8時過ぎに朝食。今日もソーセージが旨い! 今日はNürnberg(ニュルンベルク)を経由してRothenburg(ローテンブルク)を目指す予 定である。しかし、まだMünchenは昨日の夕方以降にちょっと回っただけで十分に観光し ていない!なんとかMünchenの観光時間を捻出しようと試みる。当初はNürnbergを観光す る予定だったが初日には観光している。と言う事はNürnbergの観光を省略すれば昼前まで Münchenに滞在することが可能である。

 と言う訳で9時過ぎにCheck outしてMünchen市内を回る。と言っても、11時にはMünchen Hbfを出発する為、観光施設を見学する時間は無い。街中をお手軽に見るという事でTramに 乗りながら車窓から眺める事にする。Tramに乗り前にMünchen Hbfの駅前にある電停でGroup で使用できるTypeの1日乗車券を購入する。Münchenは5人まで有効になるGroup用の乗車券 が存在する。今回は2人であるが、それでも1人づつ購入するよりは安い。

 日本では4人程度のGroupで行動すると公共交通を使うと割高になってしまい、自動車 利用に移行しがちだが、ドイツではこのようなSystemがある為、自動車利用への移行を牽制 できるのである。運賃収支のみを重視せず、街の中心部の活性化と地球環境の保護という 本質を捉えた政策は日本も見習うべきである。

 来たTramに乗車して歴史のある街並みをお手軽に堪能する。MünchenのTramを含む都市 交通はNürnbergと同様に信用乗車制を採用しており、電停では全てのドアが開く。そのた め乗降がとてもスムーズである。
 このシステムは乗降がスムーズになるという乗客側のメリットだけではなく、運営事業 者側にとても運転士が運賃支払業務から解放されるというメリットがある。乗客、運営事 業者共にメリットがあるこのシステムを日本でも採用できないか?と考えてしまう。東京 をImageして考えると、山手線じゃ乗降が多すぎて非現実的であるが、バスや都電なら出来 そうな気がする。
 Tramに乗車した後は、U-Bahn(地下鉄)にも乗車してみる。近代的でとても綺麗な Platformだったのが印象的。München Hbfで下車してDBに乗り換える。

MünchenのTram バイエルン州立歌劇場
Tramの終着駅 U-BahnのPlatform

●高速新線
 München HbfからはICEに乗車してNürnbergを目指す。この列車、MünchenからNürnberg までは高速新線を経由する。一昨日ICEに乗車した時は在来線を経由した事もあり約2時 間掛かっているが、今回は1時間20分で到着する。さすが高速新線経由である。

München Hbf 11:10 → Nürnberg Hbf 12:28 ICE 726 for Essen Hbf

 München Hbfを発車して暫くすると列車は高速新線に入る。入った途端に速度をぐんぐ ん上げていき300km/hに達する。私自身、鉄軌道で300km/h走行は初めての体験である。 この高速新線区間は途中、Auto Bahn(アウトバーン)と併走する区間があるが、あの Auto Bahn上を走る車をどんどん抜いていくのは、とても心地よい。あっという間にNürnberg に到着する。

ICE 726列車 München HbfのPlatform
ICE車内の速度表示 Nürnberg Hbf到着

●緊急事態発生!!
 Nürnberg Hbf 12:50 → Ansbach 13:35 RB 35118 for Ansbach

 Nürnbergからは普通列車を2回乗り継いでRothenburgへ向かう。まずはAnsbach行きの 列車に乗車する。乗り継ぐのは各駅停車(RB, Regional Bahnの略)である。Platformで暫 く待つと列車が入線してくる。列車に乗り込み、まもなく発車というタイミングでN君が とんでもないことを口に出す。

「さっき乗った列車に荷物を忘れた」

 まじかよ!?と驚きの言葉を発した瞬間に列車の扉が閉まり、Ansbachに向かって走り 出す。どうやら先程乗車した列車の網棚に放置したままらしい。
 まずは旅の継続に必要なものが有るかを確認する。まずはGerman Railpassである。今回 使用しているは2人用のPassである為、2人で1枚の乗車券を使用している。この乗車券 を昨日からN君に管理をお願いしていたのである。これを紛失すると今後の旅行継続が困 難になってしまう。っていうか、今乗車している列車すら不正乗車になってしまう。とり あえず、これは持っている事を確認して一安心。同時に乗車券を回収して今後の管理は私 の方で行うことにする。
 次に列車に忘れたBagに入っている貴重品を確認させる。彼が忘れたBagは網棚に置いて 存在を忘れる程度のもので、中に入っているのは主に着替え等、最悪現地調達できる物だ ったが、なんとCredit cardが入っている事が判明!!
 何故貴重品が入ったBagを網棚という体から離れた場所に置くのか理解に苦しむが、ま ずは行動。すぐに利用停止手続きを取らせる。幸いにしてN君はドイツで利用可能な携帯 電話を持っている。列車で移動中という事もあり電波状態が悪く通話が切れたりしたみた いだが、無事に手続き完了。
 次に他に貴重品があるかどうかを確認させ、無い事を確認してから荷物管理の甘さにつ いて指摘する。そもそも公共交通での移動を前提とした個人旅行で旅行開始時から2つの Bagを必要とする事自体、荷物が多すぎるのである。
 まだまだ荷物についてN君に話をしたが、とても長くなる上に面白くない話なので、こ こでは省略。ドイツ旅行の話に戻す事にする。
 Ansbach Bahnhof到着後、N君1人で忘れ物の手続きをさせる。厳しいかもしれないが、 私は彼の添乗員では無い。自分で犯した失敗は自力で解決しなければならない。これが出 来ないと海外の個人旅行は難しい。

駅の発車掲示板 Ansbach行きの列車
逆側は運転席になっている 車内の様子

●凄いよDB!
 Ansbach Bahnhofでは忘れ物の手続きをホーム上の詰所で行うらしく、N君はそこで手 続きを行っている。暫くして手続きが進んだだろうというタイミングを計らい、私も詰所 に向かう。詰所では駅員がN君が荷物を忘れた列車の車掌に問い合わせを行っている所で あった。暫くすると荷物が発見されたという連絡が来る。なんとも運がよい。今回、あっ さり荷物が見つける事ができたのは、何処に荷物を忘れたのかを明確に示せたというのも ある。実は、N君が荷物を忘れた列車は、我々乗車した号車、さらに座席番号までをカメ ラに収めていたのであった。趣味の写真がこんな所で役に立つとは(笑)
 荷物が見つかったという事は荷物を取りに行くことになるが、荷物を取りに行くとなる と大幅な行程変更を迫られる。すると、DBの駅員さんは我々の行程を訊いてくる。我々 の今日、明日の予定を答えると、我々が通るルート上の乗換駅であるWürzburg Hbfに荷物 を置いておくとのこと。しかも、今日は既に14時を回っているのにも関わらず、受取時間 は明日の朝10時過ぎ。という事は短期間でN君の忘れ物を列車から降ろし、さらに乗客が 指定する駅まで運ぶ体制が構築されているという事である。この短時間で忘れ物の処理が 行えるなんて凄すぎるよDB!
 さらに、これから我々が向かうRothenburgまでと、明日Rothenburgから荷物を預かって いるWürzburg Hbfまでの詳細な行程表まで印刷して頂く。DBの駅員というよりドイツ人 の親切さに感動!!

●乗り継ぎ
 Ansbach Bahnhofで忘れ物の手続きを行っている間に乗車予定の列車は既に発車してし まった。しかし、忘れ物を取りに行く為に行程を変更する必要がないだけでもDBに感謝 しないとならない。暫くの間、駅構内の待合室で列車を待ち、乗車予定の次の列車に乗車 する。今度も各駅停車(RB)である。
Ansbach 15:10 → Steinach 15:30 RB 34920 for Würzburg Hbf

Ansbach Bahnhof駅舎 Ansbach Bahnhof駅前の風景
Platformへの入口 Würzburg Hbf行き普通列車

●バス代行
 列車は5分遅れでSteinach Bahnhofに到着。ここから、さらにローカル線に乗り換えて Rothenburgへ向かうが、DBから頂いた行程表ではバスになっている。駅の外に出るとバ スが待機している。乗車券を見せながら
「Rothenburgへ行きます?」
と確認すると乗るように合図されるので、バスに乗車。列車が遅れていた事もあり、バス は直ぐに発車する。のんびりした田園風景を走る。路線バスの為、時折小さな町中を通る。 ドイツの田舎町といった雰囲気である。

Steinach 15:36 → Rothenburg ob der Tauber 15:56 代行バス

 20分程でRothenburg Bahnhofに到着。と言ってもPlatformではなく、バス乗り場に到着...
バスを降りてからRothenburg Bahnhofへ向かうと入口に「8月31日まで運休」という 旨の張り紙が貼られており中に入る事はできない。うーん、残念。

代行バス 駅の入口に貼ってる張紙

●駅前Hotel
 本日の宿は予め日本で抑えている。場所はRothenburg Bahnhofの駅前である。駅前の道 路を挟んだ対面に本日の宿はあった。本当に駅前Hotelである。中に入り早速Check in.  部屋で少し落ち着いた後に観光開始。宿の到着が既に予定より1時間遅れているので、 それ程時間は無い。

今日宿泊するHotel Assignされた部屋

●中世の町並み
 Rothenburgはロマンチック街道でも中世の町並みが残っている事で有名である。その為 か、日本人にとても人気のある観光地である。台湾では日本人が多い観光地を避けてしま う私であるが、さすがにドイツは他の日本人の方と感性が同じようで、この町をどうして も訪れたかった。

 まずは中世犯罪博物館へ。この博物館、日本人に人気なのか、殆どの展示物に日本語の 案内がある。実際、日本人の方も大勢見かけた。ここでは中世ドイツで実際に魔女狩りなど で使われた拷問の道具が展示されている。端から見ると悪趣味な展示という見方もできな くはないが、当時のドイツの時代背景等が判り、とても興味深い。
 次に町を上から眺めようと、マルクト広場前にある市庁舎に行くが、丁度閉まった直後 であった。うーん残念!今回はTroubleが発生して元々少ない観光時間がさらに少なくなっ てしまったりしているので仕方ない。
 町を一望する事を諦め、町中を歩き回る事にする。Rothenburgは中世ドイツの町並みを そのまま残したような所で、中世にタイムスリップしたような錯覚さえ覚えてしまうほど。 ほんの小さな区画に保存地区を設け、申し訳無さそうに古い町並みがある日本の観光地と は違う。

中世犯罪博物館 日本語の案内がある(中段)
Rothenburgの町並み マルクト広場
Guidebookによく載る構図 町は城壁に囲まれている


 一折町並みを堪能した後は、別の角度からRothenburgの町並みを見る事にする。実は昨 日、Münchenで出会った方よりRothenburgのお勧めViewスポットを教わっていたので、そこ に向かう。
 そこはRothenburgの町並みを見上げて見る場所で、この町が丘の上にある事が良く判る 場所である。時間帯が悪く逆行気味だったのが残念であったが、違った角度から町並みを 見るのも楽しい。
 晴れている日はこの場所を午前中に訪れるのが良いかもしれない。
(注釈に★が付いている写真はクリックすると大きな画像が表示されます)

★Rothenburgの町を見上げて見る

●贅沢な気分で夕食
 夕食はRothenburgの町中のrestaurantで採る事に。外に席があるRestaurantをChoiceし て腰を下ろす。中世の町並みを見ながらの夕食。とても贅沢な気分である。しかも料理も 本当に美味しい。

まずはビールで乾杯! 本日の夕食。旨っ!


 夕食を終えると20時近い。この町では20時から観光ツアーがある。中世の格好をした見 張り番が町の案内をしつつ、時折ギャグを飛ばしながら町中を巡るツアーである。しかも、 ドイツ語ではなく英語でのツアーである。しかし、英語のツアーであっても私の貧弱な英 語力ではうまく聞き取る事ができず、あえなく断念。N君も同様に聞き取れないような感 じだったので途中で抜けて宿に戻る。英語力を強化したくなる瞬間である。
 この町の夜景なども見たかったが、明日以降もまだまだ移動が続く。明日の予定を決め てから早めに就寝とする。まだまだRothenburgにて町並みを堪能したいが明日の朝には出 発である。次に来る時はここを2泊以上して、ゆっくり滞在したい。それ程この町を気に 入ってしまったのである。

夜回番人


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